卒業後の進路イメージ
永田 萌さん 建築コース 建築分野(2019年3月卒業)
勤務先:三菱地所ホーム株式会社 東京西事業部 設計グループ/アーキテクト 一級建築士
三菱地所ホームが手がける住宅の設計に携わる。敷地や周辺環境、暮らし方など、お客さま一人ひとりの要望、一邸一邸の条件に応えながら住まいづくりに向き合っている。
現在の仕事について
三菱地所ホームの住まいづくりは、一邸ごとのフルオーダーです。そのため、お客さまの思いを聴くところから仕事が始まります。さまざまなお話に耳を傾けながら感じるのは、ライフスタイルも、住まいに求めるものも、人の数だけあるということ。それを心に刻み、唯一無二の住まいをお客さまと一緒に創りあげる。幼い頃から住まいづくりに憧れていた私は、この仕事が大好きです。それぞれの理想をカタチにするため、お客さまが本当に求めておられることは何か、別の視点からの提案もできないか、アーキテクトとして安易に妥協せず、考え続ける姿勢を大切にしています。
大学時代の学び
建築を通して、自分の中にあるものを人に伝えること、それが建築の醍醐味だと思います。共立女子大学では、その「伝える力」を伸ばす機会が授業の中に多くあり、設計課題が終わるたびに行われるプレゼンテーションなどを通して、図面や模型だけでなく、言葉や資料でも伝える力が身につきました。中でも学んでよかったと思うのが、手描きスケッチです。精巧なCGよりも、手で描いたほうが自分の思いを表現しやすく、強調したい部分も伝えやすいのです。今の仕事でお客様にご覧いただく図面も、内容に応じて手で書いたり、スケッチを添えたりしており、手描きは私の強みになっています。
池田 友葉さん 建築コース インテリア分野(2017年3月卒業)
勤務先:株式会社日建設計 設計部門/プロジェクトデザイナー
大学卒業後、東京藝術大学大学院美術研究科建築専攻にて学びをさらに深め、修士課程修了後、日建設計に入社。現在は様々な用途?規模の設計プロジェクトに携わっている。
現在の仕事について
現在私は、木を用いた研究所?共同住宅の設計を担当しています。スケッチをベースに3Dで形を組み立て、制作したパースや図面を基にチームで会話しながら案を深めていきます。この仕事において私が大切にしているのは、小さな視点と大きな視点を両方もつということです。細部ばかりにとらわれず、全体を通してコンセプトに合ったデザインになっているかを常に意識するように心掛けています。試行錯誤の毎日ですが、CGなどの表現手法が発展した今だからこそ、ビジュアルに頼りすぎず、すべてを図面で表現できる設計者を目指して日々設計に取り組んでいます。
大学時代の学び
4年間を通して、様々な課題で行われる設計の授業は学びの多い時間でした。自分の案について先生方と対話するのですが、自分では想定していないような提案やアドバイスを頂くので、授業のたびに、建築やデザインの世界が広がっていく感覚がありました。毎回、模型や図面を準備して授業に臨むため、大変な時もありましたが、その過程で身についたスキルや建築に対する知識?考え方など、得られたものの大きさは計り知れません。学生時代に取り組んだことが糧となって、数年経った今、プロとして建築に携わることができています。
中野 楓子さん 建築コース(2014年3月卒業)
勤務先:熊谷市建設部営繕課営繕係/技師 一級建築士
市有建築物の建築や修繕に関する業務を担当。新築?改修工事の発注、設計事務所への図面の発注、監理業務などが主な仕事。小規模建築物の場合は自ら設計を行うこともある。
現在の仕事について
市有建築物には、学校、コミュニティセンター、市営住宅など多種多様な施設がありますが、それぞれが利用者にとって安全で使いやすいものとなることを第一に仕事をしています。それから、“熊谷らしさ”も大切にしていることの一つです。たとえば、新築工事に携わった児童クラブには、市のキャラクター「スクマム」を畳縁にあしらった畳スペースを設けました。地域の個性を組み込むことで、施設への愛着を感じてもらいたいと考えています。限られた予算の中でも創意工夫を凝らし、思いを込めた仕事が形となって、利用者に喜んでもらえたときは、嬉しさと同時に達成感があります。
大学時代の学び
さまざまな課題に挑戦し、日々手を動かし、ゼミでは新潟に出向いて、空き家を活用して「トリエンナーレ」にも参加しました。卒業制作では地元の活性化をテーマに、「旧中山道街並再生計画」を完成させたのですが、これが教授の推薦を受け、「全国114大学建築系学科卒業設計優秀作品」に掲載されたときは嬉しかったですし、自信にもなりました。こうして振り返ると、建築コースのすべての学びの根底に、「場の魅力を活かす建築」「地域貢献」があったと感じます。それを繰り返し実践することで、自分の中に、現在の仕事につながる確かな土台を築くことができました。