ファイナンシャルプランナー
花輪陽子さん
CFP認定者、1級ファイナンシャル?プランニング技能士。大学卒業後、外資系の投資銀行に入社。退職後にFPとして独立し、書籍やウェブコラムの執筆、雑誌の監修のほか、テレビやラジオの出演などを行っている。著書は『貯金ゼロ 借金200万円!ダメダメOLが資産1500万円を作るまで』(小学館)など多数。http://yokohanawa.com
vol.1
女子大生のためのマネー講座
賢い女子のお金活用術
2016.11.14
本や雑誌、化粧品や洋服など、クリックするだけで買えてしまうネットショッピング。2015年の総務省調べによると、一人あたりのネットショッピング利用額は年間10万円以上とも言われていますが、今後さらに、利用頻度は増えていくでしょう。しかし、便利さゆえにいらないものまでつい買ってしまうという人も多いのでは? そこで、ファイナンシャルプランナーの花輪陽子さんに、ネットショッピングの賢い活用法を聞きました。意外と知らないネットショッピングの裏技やクレジットカードとの上手な付き合い方など、参考になる話ばかり。ネットショッピング&クレジットカード初心者は、必読です!
ネットショッピングは、物を買いに行く時間や交通費が節約できますし、手に入りにくいもの、例えば地方の小さな商店で作っている商品を購入したい場合は非常に便利ですね。配送料が無料の商品も増えているので、需要が高まっていると思います。
また、ネットショッピングのサイトでは、一般のお店でセールにならない商品が安く買えることも多く、その代表的なものが、本です。電子書籍ですが、アマゾンではセールの対象品。他には、スポーツメーカーのスニーカー。靴量販店でもあまりセールをしませんが、アマゾンでは、クーポンコードを活用して安く購入できる場合もあります。
反面、メリットが少ない商品は、生活必需品の衛生用品。ドラッグストアの特価よりも少し高めに設定されているので、近所のドラッグストアやホームセンターと比較検討してから購入するのがベストです。
ただし、“定期購入”を利用するのは◎。1~6カ月で配送の期間が決められ、10%前後の割引があります。買う頻度がだいたい決まっているトイレットペーパーやミネラルウォーターなど、かさのある商品はネットショッピングを利用するのが賢いと思います。
ネットショッピングでは「楽天カード」や「Yahoo! JAPANカード」など、オンラインショッピングサイトが発行しているクレジットカードを利用している方は多いですよね。そこで、例としてそれぞれのカードの特徴をご説明します。
「楽天カード」は年会費無料で、100円の買い物に1円のポイントがつく1%の還元率。特徴は、「楽天加盟店」のリアル店舗や楽天ダイニングに登録しているチェーン系居酒屋やカラオケ店で楽天カードを利用すれば、2倍以上のポイントがつくことです。(2016年10月時点の情報)
「Yahoo! JAPANカード」も楽天カードと同様に、年会費無料で1%の還元率。最大の特徴は、Tカード(※1)として利用しTポイントがためられることです。Tカードを出す機会が多い方は、Yahoo! JAPANカードを作ると、より汎用性が高まります。(2016年10月時点の情報)
このように、楽天カードやヤフージャパンカードなどオンラインショッピング系のクレジットカードは年会費無料のものが多く、デメリットは特にありません。
ただし、クレジットカード全般のデメリットとして、注意したいのはカードで支払うとポイントがつくため、どんな買い物もカード払いにしてしまい、請求の時に支払いが滞りがちになるということです。そして、一番気を付けなければいけないのは、クレジットカードで購入すると、インターネット上に自分の個人情報をさらしてしまうということ。
近年、クレジットカードの不正使用の被害が多発しています。次にショッピングする時に便利であっても、多数のショッピングサイトにカード情報を記録しておかないことをおすすめします。
※1 全国にあるTポイントの提携先で、利用金額に応じてTポイントを貯めて使うことのできる共通ポイントカードのこと
クリックするとすぐに買えてしまうのが、ネットショッピングのいい点であり、悪い点でもありますね。しかし、アルバイト収入が主の学生の皆さんは、使い方に注意が必要です。そこで積極的に活用して欲しいのは、“ほしいものリスト”。カートに入れる人もいますが、誤操作で購入する危険があるので、いったん、ほしいものリストに入れてください。「2、3カ月入れたままにしていたら、いらないことに気づいた。」というのは、良く聞く話です。ネットショッピングをする時は“少し待つこと”が賢い利用法だと思います。
それから、特に学生のうちは、クレジットカードの使い過ぎを防止するシステムを作ることが大切です。その1つにカード利用の上限金額を下げるという方法があります。通常、学生のカード利用上限金額は10万円ですが、それを5万円などに下げることができるカードもあります。上限金額を下げれば、使いすぎを防止するだけでなく、不正使用された時の防波堤になり大事に至らないというメリットもあるのです。
クレジットカードの利用上限金額が高いと、支払いが滞るリスクが高まります。カード会社からの支払い通知を放置すると、ブラックリストに載る可能性も…。ブラックリストに載ると、将来、住宅ローンが組めないという事態にもなりかねません。
ネットショッピングとクレジットカードは便利でメリットがたくさんありますが、実は、マネー上級者でないと管理が難しいものなのです。ですから、学生のうちから自分の信用力を落さないために、買い物は支払えるだけするという意識を持つことが大切だと思いますね。
ファイナンシャルプランナー
花輪陽子さん
CFP認定者、1級ファイナンシャル?プランニング技能士。大学卒業後、外資系の投資銀行に入社。退職後にFPとして独立し、書籍やウェブコラムの執筆、雑誌の監修のほか、テレビやラジオの出演などを行っている。著書は『貯金ゼロ 借金200万円!ダメダメOLが資産1500万円を作るまで』(小学館)など多数。http://yokohanawa.com
おすすめ連載
一覧を見る