株式会社ヴィタミンM 代表取締役(ビジネスインストラクター、ビジネス書作家)
鈴木真理子さん
共立女子大学文芸学部文学専攻英文学コース卒業後、三井海上火災保険株式会社(現三井住友海上)に一般事務職として入社。損害サポート部、人事部人材開発室などを経て、結婚を機に退職。その後、知人の勧めで、ビジネスインストラクターのアシスタントになる。2006年、株式会社ヴィタミンMを設立。企業研修やセミナーで3万人以上に指導を行う。著書は8冊、累計15万部突破(2017年現在)。
vol.9
卒業生の社長にインタビュー!
共立社長のオキテとホンネ
2017.06.01
ビジネスインストラクターとして様々な企業に出向き、社員を対象にメールの書き方やミスをなくすワザを指導したり、新入社員研修を行っている鈴木真理子さん。企業や行政団体、教育機関から多くの依頼を受け、これまでに指導した人数はなんと3万人以上! 今でこそ人気講師ですが、ここまでの道は、本人いわく“回り道くねくね”だったそう。多くの挫折を乗り越え、成功を掴んだ鈴木さんに、夢を叶えるヒントを教えていただきました。
株式会社ヴィタミンM 代表取締役(ビジネスインストラクター、ビジネス書作家)
鈴木真理子さん
共立女子大学文芸学部文学専攻英文学コース卒業後、三井海上火災保険株式会社(現三井住友海上)に一般事務職として入社。損害サポート部、人事部人材開発室などを経て、結婚を機に退職。その後、知人の勧めで、ビジネスインストラクターのアシスタントになる。2006年、株式会社ヴィタミンMを設立。企業研修やセミナーで3万人以上に指導を行う。著書は8冊、累計15万部突破(2017年現在)。
――医師のご主人との結婚が決まり、周囲の女性社員と同じように寿退社をした鈴木さん。結婚後、多忙なご主人の帰りを待つ生活に少し閉塞感を感じていた頃、ある1本の連絡が届きました。
「電話の相手は、知り合いのビジネス講師でした。近況をお話ししたら『それなら、うちの研修会社でインストラクターのアシスタントをやってみる?』と声をかけていただいて。まさに渡りに船でしたね。しかし、仕事の依頼が入るのは先輩から。仕事内容は、ホワイトボードの文字を消すなどの簡単なものでしたが、新人の私にお呼びがかかるのは、年に1、2回。当時の年収は、2万円程度でした(笑)」
――ご主人の帰りと仕事依頼の連絡を待つ日々…。二重の待機生活と決別すべく、正社員での再就職を目指した鈴木さん。しかし結果は、不採用の嵐!
「不採用は、両手分では済まなかったですね。ようやく決まった、お子様向け英会話講師のアルバイトも3カ月でクビ。その後、派遣で化粧品会社に行きましたが、未経験の分野のためついていけず、更新打ち切りに遭ってしまいました」
――そんな鈴木さんの人生を変えたのは、ある有名企業が実施していた講師オーディション。自社の新入社員研修を担当する講師を募集していたのです。
「ペーパーテストは散々な結果でしたが、面接で“熱意”を評価されて奇跡的に合格! 研修では、とにかく必死で指導にあたりました。売れっ子の講師に比べて時間だけはあったので、毎回準備は完璧に。社長の300ページほどある伝記も読み込んで、その内容を研修でお話したり。ここでも、熱意を評価してもらえたのでしょうか。研修が終わる頃には、複数の教育機関から『ウチでも講師やらない?』とお声がかかり、講師の仕事が少しずつ増えていきました」
――そうして、本格的に契約ビジネス講師として活動を始めた鈴木さん。登壇する回数が増えるうちに「研修当日に講師をするだけでなく、もっと深くお客様と関わりたい」と思うように。38歳で一念発起し、会社を設立しました。
「いざ立ち上げたものの、すぐには受注は入らず、会社を黒字化するのに5、6年かかりました。その間、自分にお給料が払えず、ほぼ無給状態。でも、不思議と苦ではなかったんです。それまで散々、派遣先やパート先から『来なくていい』『辞めてほしい』と言われていたので、働けることが嬉しくて仕方なかったんですね」
――地道に営業活動を続け、掴んだ仕事は常に全力投球。その結果、現在では多くの企業から依頼を受ける超?売れっ子講師に! 指導した人数は3万人を超えるといいます。
「年収2万円スタートだったのに(苦笑)。ここだけの話、今でも終わった後は、脇汗で服がびっしょりのことも…。それくらい全力で指導にあたっています。不採用?クビ時代を経て思うのは、打ち込む仕事があるというのは本当に幸せなことだということ。だから“この仕事に失敗したら終わりだ”という気概で、すべての仕事に全力投球すると決めています。それがプロだと思うし、たとえ結果が伴わなくても自分の成長に寄与してくれると思っています」
――鈴木さんの研修をのぞくと、会場には笑い声が溢れています。社員研修って、もっと真面目に(!)行われるものだと思っていたのですが…。
「スキルや知識はきちんとお伝えしますが、合間に親父ギャグを披露したり、ゲーム形式でワークしてもらったり。あと笑える事例を織り交ぜて、退屈させないように進行しています。先日の研修では『今市(いまいち)さんという人に、言葉に注意しながら“ダメ出しメール”を送ってみましょう!』と課題を出したところ、大盛り上がり。きっかけやエピソードを面白くするだけで、意欲的に参加してもらえるんですね。そうして、参加者に『楽しかった!』『分かりやすかった』などと言っていただけた時は、飛び上がりそうになるくらい嬉しいです」
――鈴木さんは、企業の採用担当の方とお話する機会が多いのだそう。だからこそ、学生へ伝えたいことがあります。
「どの企業の面接でも、学生が話す内容は似たり寄ったり。大体、サークルかアルバイトのお話です。“サークルで部長を務めて、みんなをひとつにまとめた”という話もいいのですが、人と違うエピソードを話せると他の学生との差をごく自然に演出できます。意外かもしれませんが『大学で今こういう勉強をしています』とか、『卒論のテーマは〇〇です』などと話す学生は、キラキラしていて印象に残ります。また、今はダイバーシティ(多様性)が求められる時代なので、個性は売りになる。人と違うことを恐れず、変わった体験をどんどんしてほしいですね」
――変わった体験のほか、「在学中にキャリアウーマンに会ってほしい!」と断言。その心とは?
「肩で風を切って歩くような“かっこいいキャリアウーマン”と話す機会を持てるといいですね。単純に働きたい欲が刺激されるので、就活のモチベーションが上がりますよ。同時に“こういう人になりたい”というロールモデルを見つけたり、逆に“こうはなりたくないな”という女性像が具体的に見えてくることも。学生時代の私は、アルバイト先や就活中に素敵な働く女性に出会い、憧れました。キャリアウーマン達は、自分の進む方向性を定めるヒントになってくれるでしょう」
――最後に、鈴木さんが考える「自立した女性」とはどのような女性ですか?
「自分で自分の壁を作らない人、でしょうか。“私なんかに出来るわけがない”“女だから出来ない”。言い訳ばかりを考えて、自分自身で“限界”という名の壁を創り、人生をつまらなくするのはもったいない! 自立している女性とは、自身の無限の可能性を信じている人ともいえると思います。私たちには、選択する自由と力がある。自由に、そしてパワフルに人生を生きましょう!」
――その語り口は明朗快活。インタビューでも楽しく退屈させないよう、お話してくださった鈴木さん。人気講師の人気たる所以がわかったような気がします。貴重なお話、ありがとうございました!
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