建築家やデザイナーとして豊富な実績を持ち、
創造の現場で培ってきた知識?技術を余すところなく教えてくれる先生たち。
その中から10名の先生が建?デの学びを紹介します。
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地域の多様な人と関わりながら社会課題を建築で解決する
建築コース
髙橋 大輔教授
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人や地域との出会いを通してデザインに欠かせない力を磨く
デザインコース プロダクト分野
石田 和人教授
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建築をより美しくする構造デザイン
木という材料の素晴らしさ建築コース
萩生田 秀之准教授
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「文字」を通して世界を見る
Have a nice TYPE trip!デザインコース グラフィック分野
田中 裕子教授
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空間と人間の心理などについてフィールドワークで調査
建築コース
藤本 麻紀子教授
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「?せねばならない」を忘れ
視覚表現を存分に楽しんで欲しいデザインコース グラフィック分野
水川 史生教授
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建物づくりは環境づくり
建築からまちをつくる建築コース
山下 幸助教授
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日常の不便や不満をデザインで解決し、新しい価値を提案していく
デザインコース プロダクト分野
福田 一郎准教授
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ワークショップやデザインコンペなど
多彩な活動から、建築設計の素養を身につける建築コース
古賀 大教授
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「人の幸せとは何か」を追求し 住生活の視点から建築を考える
建築コース
稲葉 唯史准教授
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髙橋ゼミナール 建築コース
地域の多様な人と関わりながら
社会課題を建築で解決する私のゼミでは「地域の拠点づくり」に取り組んでいます。学生たちは、子どもから高齢者まで年齢も立場も異なる人たちと話し合いながら、その地域の空きストックの活用法を考え、改修だけでなく、その後の使い方も含めた管理?運営までの企画提案を行います。東京都大田区からはじまり、東京都調布市や鳥取県西伯郡南部町(さいはくぐんなんぶちょう)など日本の様々な地域が活動エリアになっています。建築が多くの人との協働によって成り立っているのと同じく、地域の問題も、そこに住む人々や企業、行政との関わりなくしては解決できません。そうした交流や協働を通して、コミュニケーション力が鍛えられるとともに、リアルな社会課題を建築で解決するための手法を身につけることができます。
自分の好き嫌いはともかく、広くさまざまなものを見ること、何にでも挑戦してみる姿勢が大切だと思います。その経験はすぐには結果につながらなくても、あのとき見ておいてよかったと思う日が必ず来るはずです。
- Profile
- 専門は建築計画学(既成住宅地の中に、空き家を活用して地域の人たちの居場所をつくる)。日本各地の自治体から依頼を受け、地域の拠点づくりに取り組んでいる。
- My Favorite
- 車に乗って一人で気ままに建築やアートを見ること。シーランチ?コンドミニアム(この建築を見るためにロサンゼルスから半日車を運転した)
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石田ゼミナール デザインコース
プロダクト分野人や地域との出会いを通して
デザインに欠かせない力を磨くコースの垣根を越え、さらにキャンパスを飛び出して、私のゼミでは学生時代にしかできない「さまざまな出会い」を求め、活動の場を地域や社会へと広げています。岩手の南部鉄器や埼玉県川口市の金属加工など、その土地に伝わるものづくりを学び、地域の作り手や伝統工芸職人とコラボして作品制作を行っていることもその一つ。地元の素材を使って、その地域の魅力をPRできるようなものづくりに挑戦しています。人、職業、素材や加工技術、地域や場との出会いと経験を通して、コミュニケーション力や自ら判断し行動する力、広い視野、協調性など、デザインに欠かせない力が身についていきます。
今見てくれているこのWEBサイト、座っている椅子、ノートやペン、駅の案内板、公園や噴水、雑誌や本、お菓子のパッケージなど、デザインの領域は無限です。自分の興味あることを見つけて、一緒にデザインを楽しみましょう。
- Profile
- 専門はプロダクトデザイン、家具デザイン、インテリアデザイン。1998年、石田和人デザインスタジオを設立。家具や生活用品のプロダクトデザインを中心に活動中。
- My Favorite
- 近所の土手の朝焼けと夕景、キャンプ、自転車、旅先で出会った人と話すこと
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萩生田ゼミナール 建築コース
建築をより美しくする構造デザイン
木という材料の素晴らしさ「木を知る、木に学ぶ、木で造る」「構造デザイン」などが私のゼミの学びの柱です。木は建築材料として多く使われていますが、その歴史からも文化的側面からも、貴重な学びを授けてくれるものです。木という材料の素晴らしさを知って、自分の中で建築の可能性を広げてほしいと思います。構造デザインとは、工学的な知見を用いて建築の価値を高める行為です。たとえば、「柱のない大空間にしたい」とか、「床を薄く見せたい」などの要望にも応えることができる、建築をより快適で美しくするデザインです。「構造力学は苦手だったけれど、構造デザインに興味をもって克服できました!」という学生をたくさん育てたいです。
学生時代、数学と美術が苦手でしたが、今は建築を美しく機能的にする職業に就いています。だから、皆さんもやればできる!建築の仕事をしていて実感するのは、よい建築を世に増やせば、よい未来が開かれるということ。このやりがいと楽しさを伝えていきたいと思います。
- Profile
- 専門は構造デザイン、木質構造、構造設計。「新徳山駅ビル」「新豊洲Brilliaランニングスタジアム」「東京クラシッククラブ」などの構造デザインを担当。株式会社KAP取締役。
- My Favorite
- 自動車デザインの研究、サッカー観戦、スタジアム研究、コロニア?グエル教会、東京カテドラル聖マリア大聖堂
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田中ゼミナール デザインコース
グラフィック分野「文字」を通して世界を見る
Have a nice TYPE trip!たとえばお店のロゴ一つとっても、明朝体とゴシック体とではイメージが大きく変わってくるもの。私のゼミでは、そんなデザインにおいて重要な要素である「文字」に着目し、タイポグラフィと呼ばれる分野を中心に研究に取り組み、デザイン制作を通じて知識や技術を深めます。五感をフル活用して学ぶ機会も多く、2021年度は「千代田区の手しごとや技」をテーマに情報冊子をデザイン?編集?発行しました。実践を重ねながら、最後まで諦めずにブラッシュアップする力も身につけてほしいと考えています。文字を楽しみ、タイポグラフィデザインに可能性の広がりを見出してください。Have a nice TYPE trip!
好きなことを続ける。旅や街歩きをして多様な人の暮らしと手しごとに触れる。大自然を体で感じる。これら3つのことを大切にしてください。素晴らしい出会いを生むきっかけや、ものづくりの大切な情報源になると思います。
- Profile
- アメリカの大学出版?広報、国内の広告デザイン制作会社勤務を経て、2012年、共立女子大学家政学部建築?デザイン学科着任。専門はグラフィックデザイン、タイポグラフィ。
- My Favorite
- 海外ドラマ、ヨガ、ボブ?ディラン、クイーン、原田マハさんの小説
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藤本ゼミナール 建築コース
空間と人間の心理などについて
フィールドワークで調査「空間と人間の心理?行動との関係」が私のゼミの中心的テーマ。それについて調査?実験を行いながら解明していきます。以前は毎年夏に韓国ソウルへと出向き、清渓川とその周辺の環境、景観調査を行っていました。来年度は五島列島との地域連携を予定しており、どんなフィールドワークになるか楽しみにしているところです。自分の足で調べ、目で見て、実験で確かめる。このプロセスを通して、講義形式の授業では得られない、総合的な技術や知識を身につけることができます。また、チームで協働することで、学生たちは自分とは違う考え方にふれ、それぞれの視点で意見交換を行いながら内容を深化させています。
まず、好きなことにとことん打ち込んでください。そして、今できる経験を積んでください。有名建築めぐり、好きな街を歩く、映画を観る、音楽を聴く、本を読むなど、さまざまな経験が必ず未来の糧になると思います。
- Profile
- 専門は環境工学、環境心理。環境における人間心理についてさまざまな実験を行っている。
- My Favorite
- バイオリン(最近ようやく弾くことが楽しくなりました)、サウナ、キリシタン洞窟、スイス山奥の温泉施設テルメ?ヴァルス、ちいさいおうち(バージニア?リー?バートン作)
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水川ゼミナール デザインコース
グラフィック分野「?せねばならない」を忘れ
視覚表現を存分に楽しんで欲しいゼミでは、「視覚表現を存分に楽しむ」ことを大前提に、「新しいビジュアルコミュニケーションの可能性」を探求します。具体的には、グラフィックデザインを中心に、イラストレーション、写真、映像などの視覚的効果の高いメディアを駆使し、演習を通して自分の興味やこだわりをカタチにしながら、「伝える力」を身につけます。ビジュアルコミュニケーションという大枠は定めますが、「?せねばならない」といったルールは設けません。大切なのは自分なりのチャレンジを続けること。自分の表現とは何か?信じられるものは何か?追求してほしい。己と厳しく向き合って得た自信が、いずれあなたを次のステージに連れて行ってくれるはずです。
入学当初は不安でいっぱいの表情をしていた学生が、自分をあらためて発掘し、のびのびと楽しそうに表現する姿を眺めているととても嬉しくなります。好きこそ物の上手なれ。自分の感性に正直であり続けてください。
- Profile
- 専門はビジュアルデザイン。2002年より図画工作室「円図庵」を運営。グラフィック、イラスト、写真、映像などを軸にさまざまなビジュアルコミュニケーションを手がける。
- My Favorite
- サッカー、祭、THE BLUE HEARTS、Isamu Noguchi
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まちづくり演習 建築コース
建物づくりは環境づくり
建築からまちをつくる「まちづくり演習」は、建築とまちの関わりを学ぶ演習です。与えられた敷地について自分の足で調査?分析を行い、まちの特徴や魅力を見つけ出し、そこに合う建築を提案することを学びます。建物づくりはそのまちの環境づくりでもあるので、まち全体から建築を考えることが不可欠。周囲にどんな建物があるのか、雰囲気はどうか、どんな人が歩いているのか、多角的に捉え、そのまちにとってのよい建築を生み出すことが重要です。基本的にグループワークで取り組むので、自分と異なる考え方にふれ、視点の違いを活かしながら案をまとめあげます。その中で培われる協働スキルも、建築の仕事に欠かせないものです。
ものづくり、とくに建築に関しては専門知識や決まりごとが多く、最初は大変ですが、自分の考えが形になっていく喜びもたくさんあります。最初からできる人などいません。一から丁寧に教えますので一緒に学びましょう。
- Profile
- 専門はまちづくり、建築設計。
- My Favorite
- 京都など歴史あるまち、戦後の活気が残る新宿ゴールデン街、「タワーリング?インフェルノ」(高校時代にこの映画を観て設計家に憧れました)、村上春樹さんの小説
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福田ゼミナール デザインコース
プロダクト分野日常の不便や不満を
デザインで解決し、新しい価値を提案していく旅行中、キャリーバッグが電車内で転がって困った経験はありませんか?これはほんの一例ですが、そうした「日常の不便や不満をデザインで解決する」学びが私のゼミの主軸です。デザインテーマは学生たちで決定し、必ず1課題はチームで取り組みます。毎回メンバーで話し合い、協働することで、お互いにとって良いフィードバックが得られるようです。チームワークが欠かせない場面で、一人ひとりが自分の強みを活かして行動している様子は本当に頼もしい。外部コンペへの参加をはじめ、学外でのデザイン体験や発表の場もあります。「デザインを通じてどんな価値を社会に提案できるか」、一緒に夢を描きましょう。
好きなモノやコトについて調べたり、体験したりするところから始めて、徐々に枝葉を広げていくことをオススメします。気になったことはメモやスケッチに描くと記憶に定着し、そこからアイデアが生まれますよ。
- Profile
- 電車のデザインなどを手がけ、東京メトロ丸ノ内線2000系車両のデザイン監修も担当。専門はインダストリアルデザイン、プロダクトデザイン。
- My Favorite
- 絵を描くこと、模型作り、皮から餃子作り、1970~1980年代の邦楽レコード収集
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古賀ゼミナール 建築コース
ワークショップやデザインコンペなど
多彩な活動から、建築設計の素養を身につける私のゼミでは他大学と協働し、新潟県の古民家を利用した空間改修を行っています。地域の方と一緒にワークショップを行いながら、建築設計に欠かせない他者と協働する力や対話力、プレゼンテーション力の修得をめざしています。また、居心地の良い住まいの研究にも力を入れていて、住宅建材会社の広報誌の連載記事を学生に担当してもらっています。作図?執筆を通じ表現力を高める取り組みです。建築設計やインテリアデザインの世界では、自ら問いを立て解決策を考える主体的な姿勢が求められます。そしてチームが一丸となり同じ目標に向かい、できあがった作品を学外のデザインコンペに応募することで、社会との接点の機会も多く用意しています。
建築と美術と音楽は密接です。生きる糧にもなります。幅広い興味と「楽しむ」気持ちを大切に、学びを深め、成功体験を積み重ね、表現者としての未来を切り拓いてください。社会に大きな意義をもたらす建築の魅力を、一人でも多くの学生に伝えたいです。
- Profile
- 専門は建築設計。近年の活動の中心は、歴史的建築物や近代建築の保存再生デザイン。2024年に「南山大学におけるモダニズム建築群の保存再生と大学キャンパスの成長デザインへの取り組み」において日本建築学会賞(業績)を受賞。
- My Favorite
- 絵を描くこと、文章を書くこと、ピアノを弾くこと。東大寺南大門。神保町の古書店と食文化。蓼科高原の森歩き。アンドレイ?タルコフスキー。モーリス?ラヴェル。アンリ?マティス。重源上人。
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建築?インテリア演習Ⅱ 建築コース
「人の幸せとは何か」を追求し
住生活の視点から建築を考える一年次の授業「建築?インテリア演習Ⅱ」では「小建築の設計」として、大学近隣の神田神保町すずらん通り沿いに敷地を設定し、「共立生のためのギャラリー?カフェ」の計画を行っています。周辺環境の調査から設計方針を定め、建築作品として完成させる一連のプロセスを個別に指導します。グループワークでわいわいと調査を進めたり、個人で試行錯誤を繰り返す中から教員の想定以上のアイデアが生まれるなど、嬉しい驚きがたびたびあります。課題解決する力を身につけ、人が幸せになれる空間や時間とは何か、一緒に考えましょう。
建築とは、空間の創造とともに、「人はどう生きるか」「人の幸せとは何か」を考える領域だと思います。その答えは一朝一夕には求められませんが、だからこそ追求のしがいがあります。興味のある方はぜひ、この世界に飛びこんでください。
- Profile
- 専門は住生活論、建築設計、ランドスケープデザイン。
- My Favorite
- 散歩からサイクリング、旅行まで「ここではないどこか」へ行くこと。または夢想すること。浄土寺浄土堂、ストックホルムの葬祭場、オタニエミのチャペル