Faculty of business
更新日:2025年10月03日
授業紹介
【ビジネス学部】野沢ゼミ(3年)は、横浜中華街でゼミ合宿を行いました。
野沢ゼミ(3年)では、本年より国分フレッシュフードトランス株式会社様と連携し、「愛玉子(オーギョーチ)を使った商品開発プロジェクト」に取り組んでいます。
台湾発祥の愛玉子は、爽やかな風味と独特の食感を持ち、日本ではまだ広く知られていない食材です。本プロジェクトでは、この魅力的な食材を活用し、新たな商品価値を生み出すことを目指しています。
今回のゼミ合宿では、横浜中華街を舞台に実際に愛玉子について理解を深めるとともに商品開発に向けたアイデアを具体化するためのディスカッションや体験を行いました。その様子を以下で写真とともにご紹介いたします。
《合宿一日目》マーケティング視点で愛玉子について考える
合宿初日は、横浜中華街を舞台に「愛玉子(オーギョーチ)」という食材をマーケティングの視点から深く理解するプログラムを行いました。今回は実際の現場に足を運び、文化?歴史?食体験を通して新しいアイデアの種を見つけることを目的としました。
① 横浜中華街の歴史を学ぶ
午前中は、横浜中華街発展会共同組合 副理事長?武松様より、中華街の成り立ちや歴史、そして伝統文化についてご講話いただきました。さらに、中国式の礼儀や作法についても教わり、実際に参拝を体験しました。
② 中華街ランチツアー
その後は、横浜中華街の10店舗以上を巡るランチツアー。小籠包や焼売といった定番メニューから、普段はなかなか口にしないような伝統料理まで、幅広く食べ比べをしました。
③ 愛玉子手作り体験 & 食べ比べ
料理研究家の中本ルリ子様を講師にお招きし、全員で愛玉子の手作りに挑戦しました。愛玉子の実から抽出されたペクチンによる化学反応で少しずつ水が固まって、ゼリー状になっていく過程は興味深かったです。
さらに、中華街で実際に販売されている愛玉子商品も食べ比べ、商品化された際の多様なアレンジや消費者への届け方を学びました。
こうして合宿1日目は、文化理解から食体験、商品開発のヒントまで幅広い学びを得る充実した一日となりました。
《合宿2日目》マーケティング視点で流通を学ぶ
合宿2日目は、実際の流通の現場を学ぶためにスーパーマーケットを訪問しました。前日は「食材の文化的背景や商品価値」を横浜中華街で体験しましたが、この日は「スーパーマーケットという流通の最前線」での学びが中心になり、愛玉子を商品として社会に届けるために必要なマーケティングの実学を、売り場というリアルな環境で深めることができました。
①流通について
まずは小売業における流通の仕組みについてご説明いただきました。メーカーから卸売、そして小売を通じて消費者へと商品が届くまでの一連の流れを学ぶ中で、単なる「販売の場」としてではなく、スーパーマーケットが果たす大きな役割を理解しました。
② 小売業の仕事について
続いて、小売業の現場で求められる業務内容についてご紹介いただきました。商品仕入れや売り場づくり、在庫管理、消費者へのサービスなど、日々の業務がマーケティング戦略と密接に結びついていることを学ぶことができました。
③ 愛玉子のマーケティング分析
実際に愛玉子の商品化を想定しながらSTP分析や4P分析を行いました。
* STP分析では、どの消費者層をターゲットにするかを検討し、愛玉子が持つ「健康的」「新感覚」「異文化体験」といった価値をどう訴求するかを議論しました。
* 4P分析では、価格設定やパッケージデザイン、販促方法、販売チャネルなどをグループごとに具体的に考えました。
ゼミ生それぞれがマーケティング理論を実務に落とし込む体験を通じて、理論が現場でどのように活かされるのかを実感する機会となりました。
④ 売り場を使った実践的な考察
最後に、実際のスーパーマーケットの売り場を歩きながら、愛玉子を「もしここで販売するなら」という視点で課題点を洗い出しました。陳列場所や消費者が手に取りやすい導線、試食やプロモーションの工夫など、消費者目線での改善点を考えることで、机上の分析にとどまらない実践的なマーケティングを学ぶことができました。
今回のゼミ合宿を通して、愛玉子という食材を「文化」「商品」「流通」という多角的な視点から学ぶことができました。横浜中華街での体験を通じて食材の持つ背景や魅力を知り、スーパーマーケットでの実習では実際の流通現場を踏まえたマーケティングの考え方を学ぶことができました。これらの経験は、商品開発に向けた具体的なアイデアを生み出す大きな手がかりとなったと感じています。
今後は、本合宿で得た知見をもとに、愛玉子を活用した新しい商品企画をさらに練り上げ、消費者に魅力的に届けられる提案にしていきたいと思います。
最後に、本ゼミ合宿に際しご支援?ご協力いただきました国分フレッシュフードトランス株式会社の齊藤様、大野様をはじめ、関わってくださったすべての皆様に、心より御礼申し上げます。
誠にありがとうございました。
ビジネス学部3年野沢ゼミ 関口真由 , 上山悠希