Faculty of Nursing
更新日:2021年05月21日
授業紹介
【看護学部】教育用電子カルテを取り入れた小児看護学の教育
小児看護学領域では教育用電子カルテを導入し、患者に必要な看護を見出す授業を展開しています
小児看護学領域では、昨年度後期から教育用電子カルテを導入し、健康障がいのある子どもの看護について、臨場感のある教育をしています。
現在、多くの医療現場では、患者の情報は電子カルテに書かれています。臨地実習では、患者さんと関わる中で学生は様々なことを学びますが、電子カルテにある情報からも患者さんの状態や治療?看護の実際を把握します。学内の学習であっても、現実に近い環境で学習することで、実習での学びにつなげられることは学生にとってメリットです。そして、それ以上に学生への教育効果があります。
教育用電子カルテを導入する前から、ペーパーペイシェント(学習用の架空事例)を用いて学習し、患者の状況に見合った看護を導き出していましたが、同じ事例でも電子カルテに設定することで、患者像がよりリアルになり、学生がコミットしやすい学習環境になりました。
教育用電子カルテでは、時間の経過とともに見える情報を設定できます。まり、今日の授業では「外来受診」のこと、次の授業は「入院直後」のこと、というように、場面を限定した、かつ継続的な学習をしています。学生は毎回、患者の「今」の状況をとらえ、「このあと」の状態を予測し、「これから」行う看護を見出す学習を行います。特に外来では、限られた時間の中で、かつ、少ない情報で状況を判断し、ケアを構築することが求められます。これは、リアルな医療現場での看護の思考に近く、小児看護に必要な、患者をとらえる視点と臨床判断の力が養える学習であると考えています。
授業では、見逃してはいけない情報や視点について、簡単な解説を挟みながら進めますが、学生は、教育用電子カルテをツールとしたグループ学習を基盤として、自ら気づき、探求し、確認するプロセスを繰り返しながら学んでいます。
学習目標や学ぶ内容は同じであっても、一つの新たなツールの導入によって、より主体的な学びに変えることができており、学習効果の向上も期待されます。
(小児看護学領域)
今回学習する患者さんは4階小児病棟に入院しています
(学習回により閲覧可能なカルテが異なる設定です)
持参あるいは大学貸出のパソコンで個人のペースでカルテを閲覧します
個人で作業しつつ、グループで話し合いながら学習を進めます
画面にはカルテと記録用紙を表示して、学習内容を言語化していきます