更新日:2019年08月31日
研究紹介
江戸時代に制作された御所人形の衣装の修復と復元に関する研究を進めています。
さいたま市岩槻区は古くから「人形のまち」として知られており、2020年2月22日にさいたま市岩槻人形博物館が開館します。被服平面造形研究室(田中 淑江 教授)はさいたま市スポーツ文化局文化部岩槻人形博物館開設準備室より委託され、「江戸時代制作御所人形」の衣装の修復、復元に関する研究に携わっています。
岩槻人形博物館に展示される御所人形の衣装は長年の保存状態により、経年劣化が著しく、安全に展示保存できる状態ではありませんでした。そこで、保存されている衣装を修復し、展示のために新たに衣装を復元することにしました。
図1は修復前後の(女子)御所人形立子(女子)の小袖です。御所人形立子(女子)の復元するために、生地を染色作家に染めてもらい、図2のように保存されている衣装の寸法に仕立てました。図3は御所人形立子(女子)の修復前の帯と新たに復元した帯です。
図4は修復前後の(男子)御所人形立子の小袖です。また、御所人形立子(男子)の衣装を復元するために、制作当時の柄を再現する生地を京都の織元で織りました。この生地を用いて、現在は、制作当時の衣装を正確に復元するための作業を進めています。
作業に長時間を要しますので、すべての衣装の修復し、復元ができましたらご紹介したいと思います。このように被服学科では、染色文化財の修復?復元に関する研究を通して、伝統文化の継承に取り組んでいます。
前身頃 |
後身頃 |
図1 修復前の御所人形立子(女子)の小袖 |
前身頃 |
後身頃 |
図2 修復前の御所人形立子(女子)の小袖 |
図3 復元した御所人形立子(女子)の小袖 |
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