被服学科専門科目の「被服造形基礎実習」では、洋裁と和裁の両方の基礎知識と縫製技術を1年次の前期に学びます。洋裁の課題ではミシンとロックミシンを用いて「ショートパンツ」を制作し、和裁の課題では手縫いで「肌襦袢」（着物用下着）を制作します。

　洋裁では、衣服が完成するまでに、生地選びと地直し、型紙作り、印付けと裁断、縫製と様々な工程があることを学びます。当初は、多くの学生がミシンの扱いに苦戦していましたが、授業を重ねるごとにスムーズに取り組めるようになりました。制作で出てしまう残布はミシンやロックミシンの練習に用いたり、またアップサイクルの材料として利用したりします。

　和裁では晒し木綿の生地から、長方形のパーツを裁断し、印はヘラで付け、仕立ては手縫いで行います。制作過程で残布は一切なく、縫い代の始末が多くあるのが和服の特徴です。授業最終日には制作した自身の肌襦袢を着用し、浴衣の着付けを行いました。

　いずれの授業でも自分が身に着ける衣服は、多数の工程を経て出来上がることを理解し、また残布の有効利用なども考え、さらに衣服を大事に扱うことへとつながり、SDGs目標12「つくる責任?つかう責任」についての取り組みを考えるきっかけになります。「被服造形基礎実習」で学んだ基礎的な知識と技術をもとに、「被服造形実習Ⅰ?Ⅱ?Ⅲ」や「伝統和服制作実習Ⅰ?Ⅱ」を学ぶことで、卒業研究における高度な作品制作へと発展します。

 

洋裁の課題「ショートパンツ」	和裁の課題「肌襦袢」
洋裁の授業風景	好みのレースを付けた様子
洋裁の型紙を置いた様子	和裁の着付け後の様子

 

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