更新日:2024年05月14日
作品紹介
建築?デザイン学部 建築?デザイン学科 古賀大教授 日本建築学会賞(業績)受賞!
建築?デザイン学部建築?デザイン学科の古賀大教授が「南山大学におけるモダニズム建築群の保存再生と大学キャンパスの成長デザインへの取り組み」において、2024年日本建築学会賞(業績)を受賞いたしました(プロジェクトの詳細はリンク先をご参照ください)。
この業績賞とは、学術?技術?芸術などの進歩に寄与する、論文?作品?技術部門以外の優れた業績であって、近年中に完成した業績および継続的な活動によってその成果が認められた業績を対象としております。
名古屋市にある南山大学キャンパスは、建築家アントニン?レーモンドが「自然を基本として」をコンセプトにして、マスタープランから設計までを手掛けたモダニズム建築の傑作の一つであり、1964年に日本建築学会賞(作品)を受賞、2003 年にはモダニズム建築の保存意義を訴える DOCOMOMO Japan による「日本におけるモダン?ムーブメントの建築 100 選」に認定されております。
南山大学では、モダニズム建築群の価値を再認識して設計意図を継承するために、本業績である「レーモンド?リノベーション?プロジェクト」を 2017 年に立ち上げ、建物を解体せずに、当初の設計方針を活かした改修を行い、2023 年に完了しています。このプロジェクトでは、事業主、設計者、施工業者さらには文化遺産の保存再生の専門家を交えて議論を重ね、基本方針と方法論を綿密に構築して、一貫性のある改修が真摯に進められ、「重要文化財(建造物)保存活用計画策定指針」をはじめとする国内外の保存に関する指針に則り改修基準を定め、建築部位ごとにきめ細やかに改修方針を決定した点は特に高く評価されており、予算と大学活動の制約がある中で、歴史的建築を活かしながら学習し易い空間と学生が集まり易い空間を新たに提供し、バリアフリーや外部空間との関係も考慮しつつ、耐震補強や設備機器の導入では、当初のデザインを踏襲することの難しさを解決する努力をしております。
またこれら一連のプロセスはアーカイブとして記録され、学会発表だけでなく、広く在学生や一般市民に発信され、これらの情報共有は、同大学において保存再生思想の継続性を担保するとともに、今後モダニズム建築により構成された他大学等のキャンパスの保存再生の共通認識を深めていくために役立つ貴重なアーカイブになることを期待されており、南山大学では、モダニズム建築の継承を大学成長戦略と統合させており、今後増えるであろう大学キャンパスにおける建築文化の継承モデルを提示した業績として高く評価されました。(選評より一部引用)