Faculty of International Studies
更新日:2018年10月29日
【国際学部】学生広報委員による取材記事(8) 「世界遺産が教えてくれること」
高麗なつみ (3年)
私はこれまで国際学部が主催する海外研究旅行に参加し、そこで観た世界遺産、例えば『リガの歴史地区』(ラトビア)や『アウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所』(ポーランド)に興味を持ち、それについて詳しくなりたいと思い、勉強を始めました。世界遺産について学ぶと、その背景にある歴史的要因や文化的要因、政治的要因が見えてくるようになり、物事を関連付けながら、考える力を身につけることができると思います。今回は、そんな世界遺産に興味を持ってもらいたいと思い、世界遺産アカデミーの方々にご協力をいただき、記事を作成しました。
世界遺産アカデミーについて
世界遺産アカデミーとは、世界遺産検定の実施や世界遺産に関するセミナーや講演会を開催し、世界遺産への理解?保全活動の輪がより大きくなるよう活動している、特定非営利活動(NPO)法人です。
※世界遺産は、文化財、景観、自然など、人類が共有すべき「顕著な普遍的価値」(人類全体にとって、現在だけでなく将来世代にも共通した重要性をもつとされる価値)をもつ物件のことです。文化遺産?自然遺産?複合遺産の3つに分けられます。登録には、条件や基準があり簡単に登録されるわけではありません。現在(2018年8月現在)、167ヶ国1092件が登録されており、日本は22件?世界12位の保有国数です。ちなみに、1位はイタリアの54件です。
⇒世界遺産登録手順の流れ
Q1)世界遺産を観光しに行くときのポイントを教えてください。
世界遺産を観光するとき、いつも頭に入れておいてもらいたいのは、その世界遺産を大切にしている人がいるということです。都市や集落の世界遺産であれば、そこに暮らす人がいますし、信仰や歴史に関係するものであれば、それを自分達にとってかけがえのないものだと考える人がいます。また、自然であっても、その地の人々にとっては、何物にもかえがたい環境です。世界遺産というのは、「不動産」で観光する際にもそれだけを見てしまいがちですが、その背景には様々な人々がいて、守り伝えているということを思い出して、そうした人々にも目を向けると、観光の楽しさも理解も増します。
また、実際に世界遺産を訪れるというのは、本やテレビなどで見るよりも、ずっと貴重な経験となります。世界遺産に観光に行ったら、目や耳だけでなく、口や鼻、毛穴も全てをつかって、世界遺産を味わってきてください。世界遺産のある地域の陽射しや風、湿気など全てが、他所ではなく「その地域」にある世界遺産を作り上げている要素ですから。
Q2)私達が危機遺産保護のために少しでも力になれることは何でしょうか。
まず危機遺産に関心をもち、なぜ危機に直面しているのかを知ることです。そのためには、世界遺産としての価値や危機について学ぶ必要があります。また、危機というのは様々で、一つの国や地域だけでは解決できない問題もあります。今年(2018年)の世界遺産委員会で危機遺産リストに登録されたケニアの『トゥルカナ湖国立公園群』は、隣の国のエチオピアで行われたダム開発のために、環境や水質が変化してしまい、生態系の危機に陥ってしまいました。特定の世界遺産の危機だけを考えるのではなく、紛争問題も含めて地球規模で考えることが必要な危機も多くなっており、私達の日々の生活の中で気候変動対策に気をつけるなど、毎日、少し意識することが、世界遺産の危機を取り除くことにもつながります。
単に「資格を取る」ことが目的ではない、人類共通の財産?宝物である世界遺産についての知識?理解を深め、学んだ内容を社会へ還元することを目指した検定です。とは言うものの、資格を持っていると大学入試や就職に有利な場合もあるようです。下から順に4?3?2?1?マイスターと級が設定されています。
★私の行きたくなった世界遺産ランキング
私自身も世界遺産を受検し、現在もマイスターを目指し頑張っています。そうしたなかで、勉強して特に行きたくなった世界遺産を紹介します!
第一位:『屋久島』(日本)
東京23区ほどの広さの島に標高1,000メートルを超える山々が連なっており、標高が上がる毎に亜熱帯から亜寒帯まで植生が移り変わります。また、「月に35日雨が降る」と譬えられたほどの多雨地域です。有名なのは、「縄文杉」ですが、これは樹齢1000年を超えると言われています。朽ちることなく、1000年生き延びているという歴史や、日