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国際学部

Faculty of International Studies

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国際学部ニュース詳細

更新日:2023年11月30日

学生の活動

【国際学部】学生広報委員による課題解決ワークショップ講演会レポート

 皆さんこんにちは。国際学部学生広報委員の成瀬萌芭です。今回は先日私が参加した山田光樹さんの講演会についてお話します。


 2023年11月2日に、難民支援協会の山田光樹さんをお招きして、国際学部の講演会が行われました。山田さんは、大学3年生でイタリアに留学をしたことがきっかけで難民の問題に関心を持ち、イタリアの難民受け入れ施設でボランティア活動を行い、その後本格的に日本でも難民支援活動をされています。2020年1月から難民支援協会に参加し、難民支援活動に従事されています。難民支援協会の中で山田さんは『難民支援ジャーナル』の編集などを担当されています。


 

 今回の講演では『日本の中の「難民問題」』をテーマにお話していただきました。
 講演では、難民の定義から世界?日本の難民の現状、日本の課題など、難民に関して様々な観点からお話していただきました。難民の方を近くで支えている山田さんだからこそ分かること、感じる思いを沢山伝えていただき、とても充実した講演会となりました。
 難民として逃げている理由は民主化活動や反政府活動への参加、国内での紛争、改宗、セクシャルマイノリティなど様々で、現在難民は世界に1億人以上いることを知りました。日本の人口が約1億2千万人と考えると、日本の人口と同じくらい世界には難民がいるのだということに驚きました。難民を生み出している国と受け入れている国において、アフリカや中東など重なっている場所があるというお話が特に印象に残っています。

 2022年の世界の難民認定率のデータで世界と日本を比べると、日本の難民認定率は2.0%と非常に低く、その大きな原因は日本の受け入れ制度にあるというお話を伺いました。日本では難民認定申請後、出入国在留管理庁によって審査されます。
 認定された場合は良いですが不認定だった場合は、再び出入国在留管理庁にて審査を受けることになります。日本の難民の審査は、認定する人と、外国人を管理している人と同じだという点で、公平性に欠けているという指摘があることを学びました。インタビューによって本人の情報や日本に来た理由を聞き出しますが、言語の壁や文化の違いによって上手く伝えられないこともあります。一次審査では弁護士や支援団体が仲介できないという制度に驚きました。
 「難民問題は、難民の問題ではなく、難民を受け入れられない側の問題だ。」という言葉に感銘を受けました。難民問題と聞くと難民の存在、数に目が行きがちですが、お話を伺ってそのイメージも変わりました。



  講演の最後には、質疑応答の時間を設けてくださり、数人の学生が質問をしました。私も、難民条約の締約状況の地図を見て、条約を締約している国は多いのにも関わらず受け入れに困っているのはなぜか、気になったので質問させていただきました。難民条約というのは、難民の人権の保障、難民問題を解決するための国際協力について記されたものであり、アジアの国は少ないですが、世界で多くの国が締約しています。しかし、難民条約は難民の定義を定めて、その難民を保護する義務を締約国に課しているが、それはあくまでも自分の国に逃れてきた人に対しての話である。そのため、国境を超えて難民を助けに行く義務まではない。条約には、締結国の間で受け入れ負担を分担するという理念が書かれているが、仕組みとしては十分に機能していない。そのため、一部の国に難民の受け入れが集中してしまう課題などがうまく解決できていないということを、丁寧に教えていただきました。国ごとの条約の解釈の違いや、受け入れたくても受け入れ体制が整っていないという点で難民問題というのが生まれてしまっているということを感じました。



 講演会を聞いて私は、教えていただいたことを家族や友達に伝えて、難民に関する理解を広げていきたいと強く思いました。また、自ら立ち上がって活動なさっている山田さんのお話を深く受け止め、私もできることをしていきたいです。例えば食べ物や衣服などを寄付するなどすぐできることを行動に移し、その積み重ねが難民受け入れのサポートに繋がれば良いと思います。日本に来た難民が、「日本に来て良かった」と思えるような環境づくりが大切だと感じました。現在、国際学を学んでいる私達にとって、終始関心深い内容で、とても貴重な時間となりました。


国際学部学生広報委員 1年 成瀬萌芭