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国際学部

Faculty of International Studies

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国際学部ニュース詳細

更新日:2023年12月05日

学生の活動

【国際学部】学生広報委員による先生インタビュー③ ~菅野先生編~

 国際学部専任教員に学生広報委員が「20代前半は何をし、何を考えていたのか」インタビューする企画の第3弾です!

 前回の石井先生編に続き、宮地理子さん(3年生)が菅野先生にインタビューを行いました。



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 皆さんこんにちは。学生広報委員の宮地理子です。国際学部の先生方に「20代前半は何をし、何を考えていたのか」インタビューする企画の第3回は菅野敦志先生にインタビューさせていただきました。




?大学時代は何を学んでいましたか?その分野を専攻にしたきっかけはありますか?

 大学は上智大学文学部新聞学科に進学し、東アジアとメディアについて学びました。新聞学科を選んだきっかけとしては、高校時代に過ごした台湾で地下メディアが政治に与える影響力に驚いたことや、台湾に来るまであまり台湾に関する報道に触れる機会がなかったような印象を持っていたため、日本のアジア報道がどのような特徴を持っているのか、といったことに関心を抱いたためでした。上智大学の新聞学科が日本で一番歴史の古いマスメディア/ジャーナリズム関係の学科であったことも選択した理由の一つでした。人々の認識に多大な影響力を持つマスメディア全般について、総合的に学ぶことができるのでは、と考えて選択しました。



?大学時代に力を入れて取り組んでいたことは何ですか?

 大学時代に力を入れて取り組んだことは留学です。大学の4年間のうち必ず交換留学をしたいと入学前に決めていました。当時、国公立大学では休学しなければ留学できなかったので、留学しても4年間で卒業できる大学に進学したいと考え、私立大学を第一候補としました。また、宗派は異なりますが、自身がクリスチャンであることも、上智大学に魅力を感じた点でした。

 交換留学には大学1年生の秋に選考に応募して、翌年の大学2年の後期から3年の前期まで香港中文大学に1年間交換留学をしました。1997年に香港が中国に返還されるちょうど1年前だったこともあり、目の前で歴史が動いているという躍動感が伝わる時期に留学でき、とても良い選択をしたと思います。当時は北京語(普通話)が通じず、広東語を必死に勉強しました。マレーシアに旅行に行ったときには、長距離バスの隣に座った若い華人の学生と仲良くなりましたが、「日本人で広東語が話せるなんて!」と驚かれたと同時に、共通語ではなく自分たちの言葉を話してくれていると、とても喜んでくれていたのを今でも覚えています。

 香港留学時には、中国の現地の高校に英語や日本語を教えに行くという、中文大学主催の交流ボランティアにも幾度か参加しました。初めて中国大陸にも赴くことができ、中華世界を多面的に理解することの大切さを学ぶことができたと思います。1年次という早期に行動に移したことでベストのタイミングで留学ができただけでなく、給付型の奨学金も受給することができ、目標通り4年間で卒業できたことは嬉しかったです。留学経験は、もちろん後の就職活動の自己PRにおいても大変強みになりました。




?将来の夢は何でしたか?また、当時の不安や悩みがあったら教えてください。

  今の学生と同じように、「将来こうなってほしいな」という夢や希望があっても、その実現可能性に対しては多くの不安がありました。まず、大学院進学かそれとも就職か、という選択でかなり迷いました。台湾や香港での生活を経て、日本では台湾を始めとしたアジアに関する若者向けの情報の流通が少ないと感じていました。そのため、研究者になることで、そうした情報を伝える役割を果たすことができないかと考えたりもしました。ですが、「研究をすること、研究者になることはそんなに容易なことではない」と経験者の方から叱咤してもらったりもして、それでいったんは外資系航空会社に就職しました。




?現在の職業までの経緯を教えてください。

 新卒で外資系航空会社に就職したものの、このままでいいのだろうか、という疑問も湧き上がるようになっていきました。挑戦しないまま、後で後悔したとしたら、もっと後悔することになるのではないかとも感じました。その結果、退職して1999年に早稲田大学のアジア太平洋研究科という大学院に入りました。台湾の地域研究に取り組み、修士、博士、助手の後に台湾での研究員や非常勤などをやりましたが、2011年に沖縄の名桜大学で常勤の職に就くまで不安は絶えませんでした。ありがたかったのは、弱音を吐いてしまったときに、「もう少し頑張れ」と励ましてくれた身近な先生方の存在でした。そうした励ましのおかげで今の自分があると思います。



?学生時代にやっておけばよかったことはありますか?

 学生時代にやっておけばよかったことというより、やってみたかったことは、合計4年過ごした台湾や交換留学をした香港以外のところにも留学してみたかったです。実は香港留学中に、アメリカの大学から留学してきている友人が数多くできたことで、大学入学前にかつて留学したことのあるアメリカに再度留学してみたいと思ったこともありました。また、タイにも留学してみたいと思ったこともありました。大学の学部時代に何度も留学するというのは経済的にも厳しく、実際にすることはありませんでしたが、人間の欲は尽きないと思いました。けれども、多くの刺激に触れて、やってみたいことが増えるなかでも、最終的に何を選択するのかという、自分で決めていく決断力を数多くの機会を通じて研ぎ澄ませていくことも、学生時代を通じて経験したほうが良い、大事なことだと感じました。




?私たちが学生時代にやっておくべきことは何ですか?

 学生時代にやっておくべきこととしては、新聞を毎日くまなく読んでおいてほしいです。ネットやスマートフォンで得られる情報は気軽で便利ですが、そこで得られる情報は実は断片的だったりしますし、政治、経済、健康、教育、音楽、芸術、流行など、ありとあらゆる情報を入手するツールとして紙媒体の新聞を読むことは大事だと思います。もちろん新聞のデジタル版を読むことを否定はしません。ですが、例えば、紙の新聞を読むために毎日図書館に行けば、図書館に通う癖もつきますし、デジタルだけでは思った以上に目に負担がかかり、疲れてしまうこともあります。俯瞰的に情報をインプットするうえで、紙媒体の優位性はまだまだあると思います。



?国際学部の学生に向けてメッセージをお願いします。

 国際学部の学生に伝えたいことは、国際学部では外国語や地域研究に力を入れてはいますが、けっして外国のことだけを学ぶ学部ではないということです。人口減少が進む日本は、外国から来ていただく方々抜きにはもはや成り立たなくなっているといえます。そうしたときに、外国の経験を理解することで、今後の日本のあり方や将来像についても、望ましい理解や問題解決への道筋を考えることができます。他者の経験を理解することは、他者理解のためだけではありません。他者を理解することを通じて、私たちの今後についても相対化して客観的に分析し、より良い答えを導き出すことのできる、そうした学びを国際学部で深めてほしいと願っています。




 今回のインタビューを通して多面的?多角的な視点から行動することの大切さを学びました。菅野先生は小学校から大学にかけてアメリカ、台湾、香港で過ごされていた経験があり、そこでのお話は今までずっと日本でしか生活してこなかった私にとっては驚くことばかりでした。社会が目まぐるしく変化している現在、ニュースだけではわからない、直接的な交流、感触を得ることは、日本という1つの国に固執することなく広い視野で物事を捉えられると思いました。

 また、「人間の欲は尽きない」という言葉が印象に残っています。私たちは今、大学で多くを学び、経験しています。それを一時のものとして終わらせるのではなく、社会に出てからの糧にし、その後のやりたいことに結びついてくるのだと実感しました。自分の可能性を広げるためにも、普段の学修だけでなく積極的に新聞などを読み、様々な視点から考えられるようになりたいです。





学生広報委員3年 宮地理子