一般消費者向けのリテール部門での18年間の勤務を経て、その後、買付業務を担当しています。シューズ担当からそのキャリアをスタートし、現在はレザーグッズのカテゴリーを担当しています。
現在所属している部署では、店舗へのヒアリングや市場調査を通じて収集したマーケットニーズを本社に届け、それが反映され実際に製品化に至ったとき、またお客様や店舗から好評価があったときに、大きな喜びを感じます。また、リテール部門の経験が長いことから、ビジネスの第一線で活躍している店舗スタッフとの交流や、イベントでのお客様との出会いや再会には、いつも刺激を受けています。
興味のある分野の研究室で学べたこと、グループワークやチームで取り組んだ卒業研究の準備から発表までを経験したことで、リーダーシップのスキルを培えたと思っています。協調性はもちろん、チームを構成するメンバーの一人一人が自主性を持って行動し、そして、その土壌を整えることが、ひいてはチーム全体の成果の向上に結びつくことを実感しました。また、住環境デザイン論の授業では課題を洗い出し、改善策を練り、提案するまでのディスカッションや発表の機会を数多く実践したことが、実社会で必要不可欠とされている問題解決能力に目を向けるきっかけとなりました。在学中、主体性と自立性を尊重し、かつ、女性が活躍する光景を目の当たりにして学んだことで、社会人として基礎となるスキルの必要性と社会に貢献することの大切さを理解し、行動できたことは、就職してから20数年経った現在へと繋がっています。
20数年前、共立で教えを乞うたたくさんの女性教員の活躍していた姿が、今の私の原動力の一つになっていて、そのような先輩方の背中を追うように、日々邁進しています。自立性、自主性、能動的な姿勢は、社内のどのような部署に配属され、担当を交代しても通用することに自信を持っていて、これまでの勤務経験で身に付けたスキルで勤務先に貢献できることに喜びとやりがいを感じています。ちょうど人事異動で担当についたばかりの新たな環境でも、常に初心を忘れることなく、最大の成果を追求したいと考えています。
私が入学して早々に感銘を受けたのが、何人もの女性教員の講義とその活躍する姿を目の当たりにしたことです。入学式に来賓として招かれていた鳩山幸氏*のスピーチを始め、当時客員教授を務めていたフランソワーズ?モレシャン氏の講義では、わが国の高度成長期に異国の地で活躍していた彼女独自の新鮮な視点で、日本人ならではの女性らしさ、奥ゆかしさを大事にしつつ、自立し、社会に貢献していたその姿は、今後の時代を先取りされているものと私の目に映りました。今でこそ普通の光景となった女性の活躍が四半世紀ほど前から実践されている共立の風土は、今後入学し、いずれは社会に羽ばたく学生さんの背中を押してくれる大きな力になるだろうと感じています。また、学生を一人の大人として受け入れ、自己の責任であらゆることへの決定権を持って行動するように促す教育環境は、学生の自主性を養う良い機会であったと振り返っています。
*本学の前身、共立女子職業学校の創立者の一人である鳩山春子氏の曾孫?鳩山由紀夫氏夫人
(2024年3月掲載)