学校制服の企業に勤務して、制服の更新を検討している学校に、要望に沿う素材やデザインの新しい制服を提案する仕事をしています。提案に向けて各学校に合わせたボタンやエンブレムをデザインし、提案書にまとめる業務を主に担当しています。他にも、新しい制服への更新に合わせた広報活動用のポスター?チラシ?グッズを制作したり、キャリア教育の一環として生徒と共に制服を作る授業を実施するなど、制服の企画提案だけではなく、制服に関することで学校の支援もしています。
私が企画の仕事に興味をもったのは、3年次に履修した専門教育科目「デザイン企画 I?II」で製品企画を経験し、新しいものを生み出す楽しさを知ったことがきっかけです。制服は特に「着た人の一生の思い出に残る服である」という点に魅力を感じたことが、勤務先への入社の決め手となりました。昨今では、ジェンダーレス制服が注目され、性差のない制服の提案をすることもあります。このような日々の業務で、大学で学んだ素材やデザインの知識はもちろん、人体の骨格やパターンに関する知識がとても役立っています。制服業界では、競合他社とのコンペティションを勝ち抜き、より学校の要望に沿う提案をした企業の新しい制服が採用されます。私が提案した制服の採用が決まったときは本当にうれしく、数年後に新しい制服を着た生徒の姿を見られることが楽しみです。仕事では、学校の歴史?伝統などの校風や生徒、先生、保護者の方の要望に沿う魅力的な制服の提案をしたいと思います。
被服学科には希望者を募って取り組むプロジェクトが多く、授業以外の時間もとても充実していました。学科主催の「浴衣スタイリングショー」「夏着物スタイリングショー」では、反物をデザインして浴衣を仕立て、学生自らもモデルとして出演しました。浴衣をデザインする過程を楽しみながら身につけたデジタルのデザインツールのスキルは、今の仕事にも役立っています。
まずは企画職として周囲の人から信頼されるようになりたいと考えています。家庭をもつようになりライフステージが変わっても、仕事とプライベートを両立させ、人として成長できるように努力したいと思います。
被服学科では衣服に関する幅広い知識や技術を身につけることができます。カリキュラムには実験や実習が多く、興味をもった授業を自由に選択することができます。じっくりと時間をかけて自分の興味を掘り下げ、将来の方向性を決められることが魅力だと思います。また、先生や助手さんがいつでもどのような些細なことでも親身になって相談に乗ってくださる点も魅力です。卒業してからも皆さんに会いに行きたくなる場所です。
3年生のときに先生から紹介していただいた都内百貨店協賛のデニムリメイクコンテストに応募して、優秀賞をいただきました。初めて製品企画だけでなく展示?販売にも携わる機会であったため戸惑いもありましたが、この経験を通して、不安や迷いがあってもまず挑戦しようと思うようになり、困難なことでも積極的に取り組む姿勢が身につきました。
(2023年1月掲載)